Story Collection / ストーリーコレクション

PIRATE OF BLUE DYE2018AW

2018AW

ヘッドバットジョー率いるギャング団が占拠した貨物船はニューヨークへ向けて出港した。 ディヱンをはじめとするこの貨物船の元乗組員たちは、この航海の作業員として無理矢理 ジョーに働かされていた。 貨物船は約50日かけて、パナマ運河を抜けてニューヨークにたどり着いた。NYに着くと すぐにジョーは都市の暗部を一手に担うRATという男と顔を合わせた。三つ揃えのスーツ に身を包み、派手ではないものの、小粋な切り替えの利いたジャケットを着こなす大柄な男 に、ディヱンは“大都市の大物”という印象を受けた。 ジョーはRATにニューヨークに来た経緯を説明し、フライングダッチマンが出没した情報 を尋ねたが、何もつかむことはできなかった。しかしRATはフライングダッチマン捜索に 協力を惜しまないと約束し、数人の手下を好きに使うようにとジョーに預けた。麻薬の取引 などですでに数度関わっていた二人であったため、手厚い待遇をうけ、一団は長い旅の疲れ を癒すことにした。 ニューヨークという町はディヱンにとって長いこと憧れの地であった。実際にこの地に降り立つことが叶ったディエンは町の全てに刺激を受けた。普段サンフランシスコでは見る ことのない街の景色もさることながら、通りを歩く人からギャングに至るまで、身にまとう 衣服は自分の慣れ親しんだものとは違っていた。

数日を過ごし、ディヱンをはじめとする労働者たちは疲れを癒した。体力が戻ると同時に、 この先を不安視して逃げ出す労働者が相次いだ。ディヱンも同様に脱走を試みたが、先の脱 走をした労働者がRATの手下につかまり、殺されてしまう現場に偶然遭遇したことで考え を改めた。

ディヱンが見たその労働者は、ブッチャーと呼ばれていた醜い顔の男に、人の姿として認識 できないほどバラバラにされ放置されていた。ブッチャーがその場を後にすると、得体のしれない巨大なワニが死体に近づき、肉塊を食べ始めた。労働者の跡形はすぐになくなり、彼 の生きた証すらこの世から消えてしまった。ワニの食事を微笑ましく見守る不気味な老紳 士もRATからつけられた男の一人であったことはディエンは後に知った。この恐ろしい光 景を目の当たりにしたディエンは、フライングダッチマン捜索にとどまることに腹をくくった。

その頃、ジョーが率いるギャングたちは至る所のPUBに顔を出し情報を集めていた。フラ イングダッチマンを見たという男にはついぞ会うことはできなかったが、フライングダッ チマンの伝説の詳細に至るまで得意げに語る男に出会い、彼の話を聞いた。曰く、フライングダッチマン号の船長ヴァンダーデッケンは自身の乗る船や船員たちを酷使する 非情な船長であった。アムステルダムからアフリカ最南端の町を目指し出航したものの、アフリカの南の遭難も多い危険な海域でフライングダッチマン号もまた激しい嵐に遭遇した という。

船長は海がどれだけ荒れ狂おうと思いとどまることをせず、強引にケープタウンを目指し 続けた。激しい航海に船員達が次々に命を落としていく中で、行き場のない怒りに身を震わせた船長は神を罵り、ついに神の逆鱗に触れたという。神の化身と化したフライングダッチ マン号は船長のヴァンダーデッケンに問うた。

「船や船員をここまで痛めつけてもなお、引き返そうとは思わないのか」

船長はそれでもなお航海をやめることなく、こう言い返した。

「最後の審判の日まで航海がかかろうとも必ず入港する」

こうして神を冒涜したヴァンダーデッケンは最後の審判の日までもテーブル湾に入ること が叶わず、その近海をさまよい続ける幽霊船になることとなった。嵐の海にフライングダッ チマンは現れ、その姿を見たものは不幸に見舞われるという。

さまよう幽霊船はいまやアフリカの海だけではなく嵐の起こる至る所の海域で目撃されて いるとの噂が絶えない。ヴァンダーデッケンが母国から盗みだした財宝は今なおフライン グダッチマンに眠っているという。


このフライングダッチマン伝説は大なり小なり船乗りの間では伝わっていた。嵐になると 船乗りたちは誰ともなく口々にフライングダッチマンの伝説をつぶやくのであった。

ジョーは嵐が来る日に備え、クルーを集めた。RAT に手厚い待遇への礼を弾むと約束を交 わした。嵐の日を迎え、一同ジョーの指示のもと船に乗り、荒れ狂う海の中へ船を走らせた。


ニューヨーク港から南東へ船を走らせ、海の男たちが噂する場所を辿りながら航海を続け たが、成果もなく荒れた海をひたすら南東へ渡っていく。ジョーは必ずフライングダッチマ ンを見つける気でいたため、食料も十分に備蓄して航海に挑んでいた。

ニューヨーク近海でフライングダッチマンが現れた噂もあったが、見つからないようであ れば、伝説の始まりの場所、喜望峰まで航海を続けるつもりでいた。 まずニューヨーク近海で数日停泊させ、なにも起こらないようであればバミューダ諸島で
一度船を休ませた上でケープタウンまで船を進ませようと考えていた。

数日が経ち、ジョーはケープタウンまで船を走らせることを決意した。まずは南東のバミューダ諸島を目指した。このあたりは海の荒れ方が尋常ではない。何隻もの船が海の中へ消えて行ってしまう危険な海域である。

バミューダ諸島に近づくにつれ海が大きく荒れていった。サンフランシスコからニューヨークへ渡る船路では考えられないほどの荒れ方であった。吹き荒れる強風、大きくうねる波 にクルーたちも必死に耐えるたが、数人が命を落とした。それでもジョーが船をバミューダ 諸島へ走らせようとすると、雲の切れ間から赤い光が現れ、周り一体が霧に包まれた景色へ 変貌した。船は恐ろしくうねる波に上下に揺らされるばかりである。

周りの様子は分からないが、赤い光の見える方向へ船を走らせると、うっすらと浮かぶ船のような影が見えてきた。

ジョーは望遠鏡をのぞき込みつぶやいた。

あれだ、、

ディヱンは隣でうっすら大きく動く影のようなものに気づき、自然と呼吸が荒くなっていった。

吸い込まれるように赤い光に導かれ、大きく動く影のもとへ船は進んでいく。

進むにつれてどこからともなく声が聞こえる。声は耳を通して聞こえる音というより、どこか脳に直接訴えかけるような、なんとも表現しえぬ不思議な感覚を与えた。船が赤い光が差す方向に進むに連れ、頭に言葉が響いてくる。


「船や船員をここまで痛めつけてもなお、引き返そうとは思わないのか」


ニューヨークの男がうわさしていた言葉であった。フライングダッチマンが幽霊船になった時の逸話の通りの言葉であった。 そしてそれはジョーに向けられている言葉に感じたディヱンは隣に立つジョーに目線を向 けた。

黙って笑みを浮かべるジョーに憎悪と絶望を感じるとともに、ディエンは神への懺悔を心 で唱えた。ディヱンの懺悔の念を無視するように、漆黒の異形の船が徐々に姿を現していた。 頭ではまだ神の言葉がこだまする。 気が狂いそうなほどの恐怖と戦いながら船はまっすぐ漆黒の船に向かって吸い込まれていった。

JELADO "PIRATE OF BLUE DYE" Marauder
[AG33331]
販売価格: 32,000円(税別)
 

〉WEB SHOP

JELADO "PIRATE OF BLUE DYE"VANQUISH
[AG33456]
販売価格: 180,000円(税別)

〉WEB SHOP

JELADO "PIRATE OF BLUE DYE" Rat's Vest
[AG33566]
販売価格: 35,000円(税別)

〉WEB SHOP

JELADO "PIRATE OF BLUE DYE" Rat's Coat
[AG33433]
販売価格: 54,000円(税別)

〉WEB SHOP

JELADO "PIRATE OF BLUE DYE" Harlem Vest
[AG33566]
販売価格: 30,000円(税別)

〉WEB SHOP

JELADO "PIRATE OF BLUE DYE" Rat's Trousers
 [AG33335]
販売価格: 34,000円(税別)

〉WEB SHOP